雑誌のカタログ化、パンフレット化

2017/02/04

昨年夏くらいからドコモが提供している「dマガジン」のサービスを利用しているのだが、
月額400円で160誌以上の雑誌が読み放題なので重宝している。
中身は一部著作権の問題なのであろう、省かれている雑誌も多いが、価格以上のサービス。
普段読まないような雑誌も「読み放題」とあって、進んで読もうとする。
重い雑誌を買わずに済むし、スマホ、タブレット端末でダウンロードして読めるとあってかなり生産性の高いサービス。
しかし今日はこのdマガジンの話ではなく、雑誌そのものの話をしたい。

いきなり本題だが、筆者はここ最近のファッション雑誌が面白くないと思っている。 どういうことか。
以前こちらの投稿で指摘した通りだが、雑誌が「カタログ化」、パンフレット化」してしまっているように感じるのだ。

当たり前であるがファッション雑誌はモデル以前に服そのものがないと紙面を構成することが出来ない。
PR会社やメーカーから借りてきたサンプルをモデルに着用させて撮影。物(ブツ)撮りと呼ばれる商品単体だけの写真撮影。
その他は巻頭から何ページも続く広告と、雑誌それぞれの企画ページなどで雑誌は構成される。かなり大まかではあるが。
多くの雑誌が広告主の意向や、掲載ブランドのテイストを慮って紙面を作らないといけない制約はあるにせよ、
あまりにも深みがないというか、この雑誌だからこそ!と言ったような内容を見ることが少なくなった。
企画の使い回しも多く見かけ、「1年前にも同じ企画やったやん!」と言った具合。
例えばスナップ特集の時はどの雑誌もこぞってスナップ特集を組む。なんの慣例なのかと思ってしまう。
もちろんサンプルの在庫があるかなど色々事情があるのだろうが、そういう時こそ特定のブランドを垂れ流すのではなく、
今はまだ日の目を見ていないが、これから注目されそうなブランドを掘り下げて見るのも他誌との区別化にも繋がろう。

今の季節ともなれば「春を先取り!有名スタイリストやモデルが欲しいもの特集」のような企画ものも多く見かける。
人の欲しがるものを見てどうなるものなのかとツッコミを入れたいところではあるが、堪えて読み進めても面白みがない。
それもそのはずで、紹介されているアイテムやブランドが無難過ぎるのである。定番中の定番ものが多過ぎる。
紙面に登場する人はその感性を買われているわけである。言わば読者の1歩先を行く存在であるべきではないだろうか。
そんな方々が置きに行ってどうするのだろう? 読者に「こんなブランドや素敵なアイテムがあったのか」、と
ワクワクさせるようなアイテムを紹介することこそ、わざわざ紙面に掲載する価値のある企画だと思う。
そもそもその紹介した無難なアイテム、アンタ持ってるor持ってたやろ? と穿った捉え方をする筆者はおかしいのであろうか?

閑話休題
筆者がファッションに興味を持つ前に、友人にこんなことを聞いたことがある。
「こんな東京ばっかりのお店を紹介されても、買いに行けへんやん!?」
するとお洒落な友人は、
「アホか、似たようなアイテムを探して合わせ方の参考にするんや!」、と答えてくれた。
あれから20年以上経ち筆者も雑誌を通じて勉強させてもらった経緯もあるが、今や参考することも少なくなった。
コーディネートのカタログ化、アイテムのパンフレット化した雑誌に未来はあるのか余計な危惧を抱いてしまう。

雑誌本来の姿なんて筆者も具体的に定義出来ないし、こうあるべき! と言った固定概念も不要だと考えている。
ファッションがその時の時勢を反映させて新しいものが生まれてくるように、
その受け皿となる媒体も多様に変化していくべきだと考えている。
偶然にもファッション業界も雑誌業界もアナログの世界から脱する事ができていない
ここをチャンスと思うべきか、「そういうもの」で片付けてしまうのか、そこで明暗が分かれるように考えている。
そう思う筆者もまたおかしいのであろうか?

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