セレクトショップは死んだのか?

2017/02/02

昨日投稿した記事で、ちらっとセレクトショップのことについて書いたが、ツイッターでフォローしている方が
タイミングを同じくして「バイヤーのこと」、「セレクトショップのこと」について呟かれていたので紹介したい。
思わず膝を打ってしまう内容である。



バイヤーがセレクトショップをダメにした!なんて乱暴なことは言わないが、
問題は上記ツイートのように、なぜバイヤーが自由に自分の感性に従ってバイイングできなくなったのか。
それは昨日も紹介したこちらのブログに書かれている箇所を引用したい。少々長めの引用だが是非一読して欲しい。
セレクトショップが爛熟期を迎え、さらにショップ本体が大企業になると、
MDもバイヤーもサラリーマン化して、リスクを避け冒険もしなくなる。
あれほど、インポートにこだわりをもっていた店が、
今ではオリジナル企画用のモデルサンプルとしか見なくなっている。
血気盛んな若手スタッフが国内外の展示会で、「これを売りたい」と見つけてきても、
社内品評会では上司からけちょんけちょんに言われてしまう。これではやる気が起こるはずがない。
しかも、東京は店舗コストが尋常ではない。ショップのロイヤルティを上げようとすれば、
そこそこの立地に出店する。となると、莫大な経費がかかる。
家賃や敷金、内装費といった初期投資はもちろん、人件費、光熱費などのランニングコスト。
そして、ビルインになると高額な最低部率家賃がのしかかる。どれも金額はハンパではない。
もはや東京都内の一等地や周辺の好立地に、個店レベルで出店は不可能だろう。
だから、大手ほど売り上げ効率や収益性のいいSPA化に向くのである。
いや向かざるを得ないのだ。これが東京で個店のセレクトショップが育たない理由でもある。
引用ーHAKATA PARIS NEWYORK

バイヤーの感性で「これはウチで売れる!」と思っても、
やれ値入れ率、やれ消化率を考えながら常に数字と向かい合わせになっている現実がある。
当然、バイヤーも係数関係には詳しいに越したことはないが、
「予算!売上!在庫率!」などと上から数字に対する圧迫から萎縮してしまうのは当然だ。
「本当はこっちを仕入れたいけど、売れ残ったら困るから、無難なこっちにしておこう、、、。」、
そのように仕入れた商品が売れるように筆者は思えない。無難な商品は無難な売上でしかないのではないか?

先に掲載した@mistertailer さんのTweetが言うように「どれが売れていますか?」なんて聞くのも当然である。
いわば彼らは失敗は許されない存在なのだ。下手に商品を仕入れ、売れずにいると店頭からも上の人からも散々に言われる。挙句、来期の予算を削られ最悪の場合バイヤー職を解任される可能性だってある。
一方で売上不振の理由を会社の代表が「天候が異常気象でー、若者の服離れでー、テイストの分散化でー」など
陳腐な言い訳しか出来ずにいるのを見ると、制約の多い中で仕事をしたバイヤーの方々を不憫にすら思う。

筆者のブログでも指摘した通り、2000年前後のセレクトショップにあったワクワク感や、
行けば何か新しい発見があるといったことが今日のセレクトショップにはなくなってしまったように感じている。
@Euphonica_045 さんのTweetが言うように発見→提案→感動の応酬の歓びがかつてのセレクトショップにはあった。
これは筆者が販売員としても、お客としても経験したことだから確かである。
販売員にしても入荷があるたびにしっかりとブランドのことを勉強したり、教え合ったりしたものだ。
それが接客に活きてお客様に満足してもらえ、顧客になってもらえる機会でもあった。

セレクトショップは死んだのかー。
筆者の感覚では大手セレクトショップは瀕死の状態にあると思うが、
まだ微かな希望も残されているはずだ。
地方のセレクトショップにはない資金力、ブランド力をベースに一大改革をおこなう企業はどこか、
これからも注視していきたい。
セレクトショップよ、永遠に。







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