トライするチャンスはそう多くないはず。

2017/04/05

24時間点灯し続けるタイムズスクエアの電光掲示板。
これぞニューヨーク!!


最近の話ではあるが、前職で勤務していた服飾雑貨ブランドが海外に店舗を構えることになり、 そのローンチパーティーの様子をインスタグラムのライブ配信を通じて見ることができたので、 記憶が鮮明な内に率直に感じたことを記しておこうと思う。

前職のことではあるが、書いていることは悪口ではなく私の考えに基づく建設的な意見であるし、何か情報漏洩になるような内容は含んでいないことを一応記しておく。また、前職の人間がこの投稿内容に関わっていることも一切ない。(前職の人間や、その時の取引先の人も有難いことに(??)このブログを見て頂いている様で一応のことわり。)

1:大衆的なプライスブランドこそ「See now Buy now」にトライすべきではないか?


今回海外の出店を決めたブランドは筆者も前職時代携わっていたので、価格帯を把握しているのだが、 いわゆる大衆的な価格帯のブランドである。

アイテムにもよるが安ければ1900円から高くて7000円といったところか。
(私がいなくなってしばらく時間が経過しているのでプライスゾーンも変更しているかもしれないが。)

2016年話題になったコレクションの「その場で見て、その場で買える(See now Buy now)」の流れは このような大衆的な価格帯のブランドこそ取り入れるべきではないかと思っている。

キュレーションサイトの「WIRED」に「See now Buy now」に関してこのような文章が掲載されていた。

かつてのファッションブランドは、トレンドを予想する人々の声を聞き、提携している繊維工場から入手できる素材を基準にして新しいコレクションをデザインしていた。モデルたちはステージでそのコレクションを身にまとい、バイヤーやファッション誌の編集者たちの前を闊歩した。そして、消費者はバイヤーや編集者からの情報をもとに何が流行り、何が廃れるかを知った。選び抜かれた商品が店頭に並び、ファッション誌に登場するのは、ショーから6カ月後のことだ。

これらのことを同じように大衆的なブランドでするべきなのであろうか、と考える。

6ヶ月とは言わず、たとえ2,3ヶ月であったとしてもその時間が惜しい。 そう出れば見せてすぐ売り出せるアイテムにPRを注力すべきではないだろうか。

筆者がこう思ったのも、単なるローンチパーティーなのかなと今回の発表をインスタで見ていたら、 現地の有名人なども積極的に使ったちょっとしたランウェイも開催されていたのである。 しかもパーティーが開催された場所は出店するSCの中である。

テレビや雑誌、ネットで見る有名人がさっき持っていたアイテムを購入できるとなると、 購買者の反応もより前のめりにはならないだろうか。

ローンチイベントの詳細が不明な筆者の憶測でしかないが、ライブ配信を見る限り、 そのような対応が取られていなかったように思うので「勿体ない」と思わざるを得ない。 そうそうこのような新しい取り組みを試せるチャンスなどないのだから。


2:SNSとの連動はを高める必要性あり!


今回海外に出店するこちらのブランドのインスタグラムアカウントのフォロワー数は何と6万人を超える。 にもかかわらず、ライブ配信の視聴者は筆者が見る限りでは40人に到達していなかった。

現地でローンチイベント開催のお知らせ投稿はあったようだが、ライブ配信告知までは、 手が回らなかったのか、それとも現場の思いつきで配信を開始したのか、はたまた それ以上の視聴者が実際は居たのかは、不確かではあるが、これも「勿体ない」の一言に尽きる。

ライブ配信の視聴者が多いからといって、売上に直結するわけではないが、販促の絶好の機会である。 今やアパレルに限らず、小売はSNSでいかにお客さんを巻き込んで盛り上げていくかが必須の時代。

筆者はその分野の専門でも何でもないのでこれも不確かなことではあるが、 一消費者として、いろいろなブランドのアカウントをフォローしている上で考えると自明のことである。


3:海外で流行って日本でも流行るのか?


ほぼ日本国内では無名であったこのブランドだが、今後の成長戦略はどうしていくのだろう。 そう思っていたら、たまたま偶然、今日のヤフーニュースでそのブランドのこれまでや、今売れている背景が取り上げられていた。

私もお世話になった偉い上司の方が「日本でもこのブランドをこれまで以上に確立させて育てていきたい。」とコメントしていた。完全なる逆輸入というわけではないが、海外での勢いを日本でさらに加速させようというわけだ。

これに関しては確実性のない話ではあるが、前項目で指摘したようなSNSの活用の仕方がキーポイントになってくるであろうし、当然それにまつわる商品の企画力、営業マンの提案力、会社としての組織力が問われることになるだろう。

既に出ている情報なので問題ないが、こちらの会社の前年度の売り上げは90億円近く、今年度はさらにそれを上回ることを目標にしていると聞く。インバウンド需要が奏功し爆発的に売り上げが上がった中で、いかに海外での売り上げを確保し国内の市場も盛り上げていくか。

栄枯盛衰、必ずブームは去る。去った時にどう対応するか、対応できるかが今問われているように思う。



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